
粗利削減=利益増に必ずしもつながるわけではないトラップ
経営を勉強している経営者であれば一度は聞いた事がある「売上よりも利益が大事」という言葉。そして、この利益とは商品やサービスの原価を差し引いた「粗利益」のことを指す事が多いです。
商品やサービスの粗利益を増やすために、社長も営業も現場も一生懸命に努力をします。もちろんそういった努力は大事ですし、やらないよりもやった方が利益は増えます。
ただ、個別の商品やサービスの粗利を上げる努力をするだけだと、思わぬ落とし穴が待っています。それは個別商品やサービスの最適化に一生懸命になるあまり、「木を見て森を見ず」状態になってしまうのです。
社長の「なんか最近儲かってねえな」という直感は当たっている
個別の商品やサービスの改善を積み重ねて、例えばAという商品の粗利率が5%下がったとします。それで経営状況が良くなるかと思いきや、銀行口座の現金は増えません。
それならばとAという商品の粗利率をさらに改善させようと努力します。あるいは、さらにBという商品の改善もして、商品の粗利率を高めようとします。
残念ながら、それでも、あまり効果を感じません。データを取ってみても、間違いなくA商品もB商品も粗利率が改善しているにも関わらずです。社長は直感的にも「これだけ努力したのに、全然儲かるようになった気がしないな」と思います。
いや、それはあくまで直感的にそう感じているだけだから、決算書を締めてから振り返ってみようと。。。
結果、決算書を締めてみても、営業利益は増えていませんでした。それどころか減っていたりもします。そう経営者の「悪い予感」はだいたい当たるのです。そして、少し当たるのではなく、悪い予感は、予想よりも悪い結果の方に大当たりします。
粗利に関するノウハウや書籍に抜けているもの、それは「会社全体の粗利」
粗利を削るためにトヨタ生産方式を勉強したり、本もたくさん読んだ。なのになぜ?と考えます。ですが、よく考えてください。そういった粗利を削るノウハウは誰向けに書かれている本でしょうか?
ほとんどが「従業員向け」ではないでしょうか?例えば工場の生産管理をしている人、例えば建設現場の施工管理をしている人、例えば商品開発をする人、など。あくまで「従業員向け」なのです。
いやいや、トヨタ生産方式は経営者に向けたノウハウだと言いたくなる気持ちもわかります。ですが、製造工程という切り取った一部の業務を解説をしている時点で「従業員向け」なのです。
「会社全体の粗利」という視点で粗利を削減していくノウハウを体系化した書籍やセミナーの類はほとんどありません。その会社全体の粗利を見るという視点が抜けているのが、儲からない原因になっているのです。
粗利を管理するコツは個別商品の前に、会社全体の粗利を見る事です。会社全体の粗利を見て、その会社全体の粗利から適切な販管費の分配を行って営業利益を残す。それが販管費経営です。
今回はそんな、粗利に関して「木を見て森を見ず」状態にならないようにするためのコツをお伝えします。
今回、本編で提供する解説動画、補足解説、ツールです。







今回の解説内容の目次です。
| 第三章 個別商品の粗利率を上げるだけでは会社の利益は増えない | |
| 1 | 改善をしているのに儲からないと社長はモヤモヤと思っている |
| 2 | 現場単位、案件単位の利益管理は総額の観点が抜けている |
| 3 | 個別の粗利「率」よりも個別の粗利「額」を、「個別」の粗利額よりも「全体」の粗利額を優先 |
| 4 | 人件費や家賃を払うのは総額の粗利から払う、費用を最低限の粗利から払えるまで絞る |
| 5 | 個別案件の粗利管理をやりすぎるとかえって、ムダな社員やムダな仕事が増える |
| 6 | 個別の粗利管理は全体の粗利管理ができてからやる |
| 7 | 会社全体の粗利を調べるのはシンプル。決算書の売上総利益を調べるだけ |
| 8 | 売上総利益の中で効率的に販管費を分配していく |
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